こんにちは。
しゃべらないカウンセリングの山名です。

前回の記事で、
「トラウマ」とは、

人間に備わっている
「脅威に対応し、乗り越える力」が圧倒され、
逃げることも闘うこともできない状態で
神経系をシャットダウンしてしまうということ、

そしてトラウマは、
相手とのつながりを失うだけでなく、

周りの世界とのつながり、
自分自身のつながりをも
失わせるものだということでした。

このとき体では、
「凍りつき反応」
起きているんでしたね。

・トラウマは精神的な弱さではなく繊細さにある

ただ、野生動物に関しては、
人間以上に命の危険にさらされているにもかかわらず、トラウマになることはないんです。

と、いうことで、今回は、
こういったトラウマに関する研究から、

  • 凍りつき反応の抜け出し方
  • トラウマの解消方法

についてみていきたいと思います。

あなたが苦しみに対して
克服しようとしてやってきたやり方と、

もしかしたら
反対のことをやってしまってた!

なんてことのないように、
最後まで読んでみてくださいね。

ではまず、
「凍りつき反応」について
おさらいしていきましょう。

凍りつき反応とは

「凍りつき反応」とは、
私たちを含めた動物が、
生き残るための「防衛反応」の一つです。

何度かお話ししている通り、
動物が危険を感じた時、

「逃げるか闘うか」

という反応を取りますが、

危険が大きすぎて、
「逃げる」ことも「闘う」こともできない時に、「凍りつき反応」が起こるんです。

その特徴としては次のようなものがあります。

  • 動きがなくなる
  • 身体の感覚を感じなくなる
  • 記憶があいまいになる

じゃあ「凍りつき」というくらいだから、
凍りつき反応はエネルギーが足りない状態なの?

と思われるかもしれませんが、
実はそうじゃないんです。

この「凍りつき反応」は
自律神経が関与している反応なので、
そのプロセスをみていくとよくわかります。

凍りつき反応と自律神経

では凍りつき反応を
順を追って見ていきます。

  1. 命に関わる(と感じる)脅威が起こる
  2. 交感神経が活性化する(アクセルを踏み込む)
  3. 逃げることも闘うこともできない状況になる
  4. 副交感神経が活性化する(急ブレーキをかける)
  5. 凍りつき反応が起きる

まず、2.で交感神経が活性化しているとき、
体の中では高いエネルギーが生まれています。
(全力で走るときはたくさんのエネルギーを使いますよね)

そして3.で、このアクセル踏みっぱなしの
過覚醒状態が続いても自分を守れないと感じた時、

緊急処置として、
今度は4.でアクセルをかけながら
同時にブレーキをかけていきます。

パソコンも
処理できなくなるとシャットダウンしますし、

家の電気も、
一度に使い過ぎると
ブレーカーが落ちてしまいますよね。

4.の急ブレーキは、そんなイメージです。

ただ、
これらと「凍りつき反応」とが違う点は、

「凍りつき反応」が起きた後、
エネルギーが神経系に残されてしまうという点なんです。
なくならずに体の中に残ってしまうわけですね。

つまり、
高いエネルギーが体にある状態のまま、
使えずに保存してしまっている状態
「凍りつき反応」なんです。

こうしてみると、
トラウマ症状の原因
は、
そこに起きている出来事そのものではなく、
この体内に保存された高エネルギーなんですね。

野生動物などに見られる凍りつきの状態は、
一見「死んだふり」のように動きがありませんが、

実はここには高いエネルギーが潜んでいて、

危機が去った後でも
それが解放できないでいると、

似たような状況が起こるたびに、
この残ってしまったエネルギーが常に暴れまわって、
苦しさを生み出す原因となってしまうのです。

どうやって凍りつきを解放していくのか?

そうやってみていくと、
凍りつきを解放するためには、
体の中に冷凍保存されてしまっている
高いエネルギーを解放していく必要があります。

ちょっとイメージしづらいのであれば、
よく振った炭酸のペットボトルをイメージしてみてください。

凍りつきの状態は、
ペットボトルがよく振られて、
中が圧でパンパンになった状態。

この圧でパンパンのエネルギーが
高い状態が続けばトラウマになります。

つまり、
凍りつきを解放するには、
ペットボトルのキャップを開け、
中の圧を抜くことができればいいわけです。

そうすると、
高いエネルギーの影響を受けず、
トラウマにはならないのです。

野生動物の解放のプロセス

では野生動物の例として、
チーターに追いかけられたインパラの様子を見ていきます。

  1. チーターから追われ、逃げる ⇒ 交感神経が活性化
  2. チーターに追いつかれる直前に倒れる ⇒ 凍りつき(アクセルと急ブレーキが同時に作動)
    (死んだふり、ほとんど呼吸もしない)
  3. チーターが立ち去るとインパラは目を覚まし、 ⇒ 凍りつきのエネルギーの解放
    震えてから、何事もなかったかのように群れに戻る

※肉食動物のチーターは、
すでに死んでいる動物を食べないので、
インパラは死んだふりをすることで命の危機から逃れることができます。

1.~3.の下線部の行動が、
それぞれの状態に対応しています。

そうすると、
3.の凍りつきのエネルギーの解放には、
「震える」というキーワードが浮かび上がってきます。

この「震える」という動き、
一見、ただ動き出すための動作ともとれますが、

ここに一体どういった効果があるのでしょうか。

なぜ人間はトラウマを解放できないのか

このインパラの震える動き、
インパラ自身がもちろん考えてやっているわけではなく、
動物の本能として行っている動きです。

でも実はこれは理にかなっていて、
震えるという動きは、放電するかのように、
過覚醒したエネルギーを外へ出す働きがあるんです。

インパラの声を想像で代弁すると、

「あ~こわかった~!」
「ブルブルブルブル…」

といったところでしょうか。

エネルギーをしっかり感じて、
使い切っているわけですね。

つまり、
凍りつきの高いエネルギーを解放するには、
本能に身を委ねて、感じるままに表現すればいいわけなんです。

それは裏を返せば、

人間は危機を感じた時、
そして危機を感じた後に
感じるままに表現できない生き物だということです。

ではなぜ人間は、
本能に身を委ねて、
感じるままに表現できないのかというと、

それは、人間特有の知性が、
解放反応(震えなど)に抵抗してしまうからなんです。

その抵抗というのは、

  • 凍りつきから出てくる時のエネルギーの強さや怒りへの恐れ
  • 身体に強い反応が出ることへの恥ずかしさ

人間が高度な思考を行なったり、
お互いのことを気にしてしまうことで起きてしまう、
いわば知性のマイナスの側面なわけです。

トラウマは克服しようとしてはいけない

このことから、
凍りつきは、そしてトラウマは、

「知性では解決しない」

ということがわかります。

そして、

「本能の部分にアクセスする」

ということが必要になってくるわけですね。

 

もちろんそこに至るまでのプロセスでは、
考えたりすることも必要なのですが、

最終的な解放になったときは、
自分自身の感覚や本能に身をゆだねることが必要になってくるのです。

ですので、
トラウマは克服しようとしないでくださいね。

 

では、
凍りつき反応、トラウマを解放するために
必要なことが分かったと思いますが、

一つだけ注意点があります。

それは、

「トラウマに取り組まないこと」

なんです。

 

え?

克服してはいけないし、
取り組んではいけないってどういうこと?

と思われるかと思いますが、
これには理由があります。

 

トラウマに取り組むのではなく、少しずつ感情を解放していく

その理由とは、無理なトラウマの再現によって
より症状が悪化する場合があるからです。

そのためにも、無理にトラウマに取り組むのではなく、
少しずつ、できるところから感情を解放していく必要があります。

もちろんそれを一人で行うことは不可能ではありませんが…、あまりおススメしません(^^;

「しゃべらないカウンセリング」では、
無理に一回で済まそうとせず、継続的に感情を解放していくお手伝いしてますよ(^^)

セラピーで得られるものとは?