こんにちは。
しゃべらないカウンセリングの山名です。

 

前回は、
緊張・リラックスをつかさどる
自律神経の図というものに、

「覚醒度」という軸を
新たに一つ付け加えてみると

心地よく居られる状態
というものがわかりやすくなります、

というお話をしました。

緊張-リラックスの従来の図

「覚醒度」を加えた図

※前回の記事はこちら

・家に帰るとシャットダウンしてしまうあなたへ~「覚醒度」で紐解く自律神経のバランス~

好評で、たくさんの方が読んでくださったので、
まだの方はぜひ見てくださいね。

 

そして、
緊張しすぎたり、
シャットダウンしたりしてしまうのは、

自律神経が
急発進・急ブレーキを
してしまっているせいですよ、

というお話もしました。

 

今回は、
ではなぜ、急ブレーキをかけてしまうのか、

そして、
ゆっくりとマイルドなブレーキをかけるには
どうすればいいのか?

というところを
お話ししていきたいと思います。

このことを
知っているのと知っていないのとでは
心地よく生きていくうえでの
対処の仕方が大きく違ってきます。

そして、
一人で閉じこもるというのと、
人とつながるということの違いも
整理できるようになります。

ですから、
ぜひあなたに知ってもらいたいんですね。

ではその中身をさっそく見ていきましょう。

 

ランチの後の子守唄…

お昼ご飯を食べた後、
ひと仕事しようとすると眠くなる…

ランチを終えて仕事に戻ると、
人の話がなんだか子守歌に聞こえてくる…

そんな経験ありますよね。

ごはんを食べた後に眠気を感じるのは、

ご存知かと思いますが
消化吸収のために副交感神経がはたらいているからなんです。

 

もう他にすることがなかったり、
一人でゆっくりしたいときであればいいのですが、

人と一緒にいるのに
急に一人で閉じこもりたくなったり、

これから自分のことをしようと思うのに
動けなくてダラダラしてしまいたくはないですよね。

 

自律神経は2つではなく3つ?

自律神経には
「交感神経」と「副交感神経」の
2種類があるとお伝えしてきました。

  • 交感神経:活動するための神経、アクセルの働き
  • 副交感神経:休息するための神経、ブレーキの働き

エネルギッシュな交感神経に対して、
癒しをもたらす副交感神経。

ですが、
自律神経の研究は日進月歩であり、最近では、

「副交感神経はさらに働き方の異なる二つの神経に分かれている」

ということが明らかになりつつあります。
その二つの神経の特徴は以下になります。

  1. 主に背中側に位置し、一人でのリラックス、消化、休息をつかさどる副交感神経
  2. 主に体の前面に位置し、人との関わりの中で安らぎを感じる副交感神経

なるほど、

「人との関わりの中で安らぎを感じる」

という副交感神経があるんですね。

しかも、一人でゆっくりしたり、
食べ物を消化するものとは異なっているらしい。

そんなことを
「はじめて聞いた」という方は多いのではないでしょうか。

つまり、合計すると、
自律神経は2つではなく3つ。

 

とはいっても、
これだけでは何のことか
ちょっとわかりづらいし、

だからと言って
それが何の役に立つのか見えてこないので、
その分かれている意味を簡単に説明していきます。

この2つの副交感神経は、
動物が進化を繰り返す中で
獲得してきたものであるので、

その歴史をさっくり振り返ると、
どうしてそのようにわかれているのかが
わかるようになります。

すごく簡単なことしか話さない(話せない)ので、気楽な感じで聞いてみてくださいね。

 

赤ちゃんの成長と動物の進化

私たち人間は、
どんな人であっても、
産まれたての赤ちゃんから始まります。

「オギャー」と泣いているうちは、
手足が発達しておらず、
自分で動くこともままなりません。

一日の大半を寝て過ごし、
ごはんを食べて、おねんねして、
すくすくと育つことが赤ちゃんのお仕事です。

そこから
ハイハイができるようになり、
つかまり立ちができるようになり、
そして自分の手足を使って歩けるようになります。

さらに成長していくにつれ、
行動範囲を広げ、自らの力で生活し、
周りと社会とのコミュニケーションを取るようになります。

 

このようなタイムライン
(時間の流れ)でみると、
動物の進化も同じような道筋をたどっていきます。

はじめは
ナマコのように
食べて眠るだけの生き物からスタートし、

魚類・両生類と進化するにつれ、
手足が生えていき、
行動の幅を増やしていきます。

爬虫類にもなると、
トカゲのように自ら立てる生き物まで
現われるようになります。

そして私たちと同じ哺乳類となり、
お腹の中で子を育て、群れをつくって
生活するようになります。

最後はそれがさらに高度になり、
言葉や感情を使って
コミュニケーションをとるヒトに進化する。

といった流れになります。

 

ちなみに哺乳類になって
コミュニケーションを発達させたのは、

弱い子どもを守り、生活を安定させるために
群れをつくって助け合うという
生存戦略だったわけなんです。

 

ナマコ+手足+心=人?

さて、この流れをざっくり三段階に分割すると、

【消化吸収・休息】→【運動・活動】→【人とのつながり・コミュニケーション】

となります。

この三段階は、
私たちヒトで考えればわかる通り、
古いものがなくなってしまうのではなく、

古いものにどんどんオプションがついてくる
といった形になります。

【消化吸収する胃や腸】+【活動する手足】+【コミュニケーションする心】

コンピュータがバージョンアップするような感覚ですね。

 

つまり、
私たちは、必要に応じて

消化吸収・休息を取ったり、
生活するために活動をしたり、
人とつながるためにコミュニケーションを取ったりと

その進化で得てきた各々のバージョンを
使い分けているわけなんです。

ですから、
どれがいい・悪いってのはありませんよね。

 

腹側迷走神経と背側迷走神経

ようやく自律神経の話に戻りますが、
この三段階が、そっくりそのまま自律神経にも当てはまります。

その前に、
自律神経のはたらきを一度おさらいしますね。

自律神経は2つではなく、
以下の3つだとお話ししました。

  • 交感神経:エネルギッシュに活動する(闘う・逃げる)
  • 副交感神経①:一人でのリラックス、消化、休息をつかさどる
  • 副交感神経②:人との関わりの中で安らぎを感じる

そして、
それらは以下のように対応しています。

●自律神経 ●はたらき
副交感神経① 消化吸収・休息
交感神経 運動・活動
副交感神経② 人とのつながり・
コミュニケーション

ここまで来るのに
結構な時間を要しました(^^;)

つまり、
急ブレーキをかけてしまう副交感神経は
【消化吸収・休息】の副交感神経①(旧バージョン)、

そして
マイルドなブレーキをかける副交感神経は、
【人とのつながり・コミュニケーション】の副交感神経②(最新バージョン)

になります。

そしてさっき、

  1. 主に背中側に位置し、一人でのリラックス、消化、休息をつかさどる副交感神経
  2. 主に体の前面に位置し、人との関わりの中で安らぎを感じる副交感神経

と、体の前面か背面かで
分かれているとちょろっと書きましたが、

これらの名前を

  1. 腹側迷走神経
  2. 背側迷走神経

といいます。

先ほどの表でまとめますね。

●自律神経 ●はたらき ●クルマで
いうと
背側迷走神経
(旧)
消化吸収・休息 急ブレーキ
交感神経 運動・活動 アクセル
腹側迷走神経
(新)
人とのつながり・
コミュニケーション
マイルド
ブレーキ

これを見て、それぞれの関係が
整理されてきたでしょうか。

最後にまとめに入っていきますね。

 

自律神経はバージョンアップされるシステムだ!

先ほど、
必要に応じて
これらの自律神経を使い分けている
とお話ししましたが、

こと脅威を感じたり
危険に去られた時の防衛反応としては、
新しいシステムから順番に使われるようになっています。

 

しかし、
何らかの理由で
新しいシステムが使えなくなると、
代わりに下位の(古い)システムを
使おうとします。

つまり、
怖いなとか危険だなと感じた時は、

  • 第一選択肢:マイルドブレーキ(腹側迷走神経)
  • 第二選択肢:アクセル(交感神経)
  • 第三選択肢:急ブレーキ(背側迷走神経)

といった順番で自律神経が使われます。

急ブレーキばかりを使ってしまう人は、

身の回りで危険を感じることが多く、
(本当に危険かどうかは別です)

そのたびに新しいシステムが使えず、
一番下の急ブレーキを使っている、
ということなんです。

 

ではどうやってマイルドブレーキを使うのかというと、

過去に急ブレーキをかけてしまった時のトラウマを
解放してあげることが必要なんです。

これは別に大小関わらずです。

ここで初めて
「トラウマ」という言葉が出てきました。

次回は、
自律神経とトラウマの関係をお伝えして、
さらに内容を深めていきたいと思います。

 

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